06/24の日記

01:21
It's a wonderful world K
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「…望みは何…?」


「頭のイイ女は、話が早くて助かるね」


推し量りながら、冷静に考えをまとめる。
アーロンの性格から言って、コイツに本物の権利書を渡す筈はない。だが、コネ関係が判らない限り、100%否定する事も出来ない。ならば、手に入れても損は無い筈だ。


「俺は心の広い男だからな。 なにもこないだ恥をかかされた仕返しをしようってんじゃない」


しっかり根に持ってるじゃない、と危うく零してしまうのをなんとか堪えた。


「簡単さ、俺の女になればいい」


出された条件は案の定、予想していた通りのものだった。


「…もし、断ったら…?」


「何てこたぁない。 この紙がアーロンさんの元に返るだけさ」


そしてこう言うのだろう。「ナミはどーやらいらないそうです」と。そして二度と私の手に渡る事はない。
迷う事などなかった。


「イイわ、お好きなようにどうぞ」


カバジが勝ち誇った笑いを浮かべた。
風の匂いが変わったのが判った。この時私は雲一つない空を見上げ、夕立ちが来るかも、と関係ない事を考えていた。
 
 

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