book2

□【僕らは生きて愛し合う@】
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僕は今年から大学生になる。

1人暮らししたいって騒いで、親に多大な迷惑をかけ、やっと手に入れた自由な暮らし。

新しい街で始まる新しい生活。

なにもかもが新鮮。


今日も明るい朝日が昇る。


でも何故か変わらない、ベッドで眠る、僕の隣の温もり…



「壱也ぁ〜起きろ。」

「んぅ〜?なんや〜飯かぁ?」


目を擦りながら壱也は起き上がる。
てゆーか、なんでコイツ裸やねん。
エラソ〜に…
トランクス一丁で布団を出て、部屋を散々歩き回った後、壱也はキッチンの椅子に座り込んで「飯?ないやん…」と僕を睨んで来る。

なんなんコイツ‥まぢで…(-_-#)



「壱也が朝飯作るって言うたやん…」
「あぁ〜そんなコトあったねぇ〜」
「早よ支度せろ。」
「おぅ〜」

面倒臭そうに返事をすると、壱也は嫌々キッチンで朝食の準備を始めた。



てか、何で壱也が僕ん家おるんかわからん。
僕の記憶が確かなら、僕らの実家は関西にあるはずで、僕は上京したわけだからここは東京近辺なわけで…

さらに記憶を辿ると、僕は大学生で、壱也は高校生で…
今日は平日で学校あるのに壱也は僕ん家いて…
オィ、なんでおるん?


「壱也ぁ…」

「んぅ?」

「なんでココおるんょ?」

「茶々丸が心配で追い掛けて来たの。」

「はぁ?」



なんじゃ、僕はガキ扱いか?
て違う。そんなん理由になっとらんし。

「俺、ここ住むかんな。」
「なんでぇ?」
「だって俺、遠距離恋愛とか耐えられんし…茶々がおらんと欲求不満になってまうし…」



そんだけの理由で引っ越すんですか、君は…
そぅいえば、随分大荷物で押し掛けて来ましたしね。
あれで引っ越し完了でしたか。

それ以前に、遠距離恋愛って‥僕達付き合ってたんですか?
残念ながら恋人として扱われた記憶はございませんでι


僕が東京で1人暮らしする言うたら、なーんも反対せんで‥
それはただ、自分も付いてくる前提で黙認してただけでしたか。


「新しい高校にも手続きしたし、新学期から通うことになったから。」
「へぇ。」
「なに?嬉しくないんか?」

壱也は目玉焼きを作っている真っ最中のフライパンを持ったまま僕に近付いてくる。
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