至宝のシンアス
□隠せぬ想い
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*隠せぬ想い*
「そばに寄るな」『そばに来て』
アスランの口から出た言葉と思念は、矛盾していた。
シンはアスランに歩み寄る。「近づくほど思念が伝わりやすくなるから、恥ずかしい。でもそばにいたい、ってことなんですよね」
『そうだよ』
シンは微笑んで、アスランの頬に触れる。
『アスランさん、かわいい。……顔は綺麗で、性格はかわいいですね』
「思念で口説くな」
「思ってしまうものは、しかたないでしょ?嬉しいくせに」
「嬉しくない!」『嬉しい』
「嘘つき」『そんなあんたが、好きですよ。好きです。好き……』
「うるさい!」『俺も好きだ』
「アスランさん……」
アスランは頬を染め、思念が読めなくなるようシールドを張ろうとした。それを察したシンは、アスランを強く抱きしめた。
シールドを張れず、アスランはシンの思念の波に呑まれる。激しい愛情が流れ込んでくる。
「離してくれ……」
言葉とは裏腹に、アスランはシンを抱き返した。
好きで好きで、たまらない。
想いは重なり、とけ合って、互いの胸を熱くした。
END
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