シンアスのお話

□妄想少年
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「や、やめろっ 俺にはシンが……っ ン、ぁあ!」

   このTシャツの持ち主なら、かなり体格いいヤツに決まってる。それならいくらアスランさんでも逃げられなかったに違いない。

「はな、せっ やめろ! あ……っ このッ」

   嫌がったって力で押さえこまれたら終わりだ。
   しかも、そいつがかなりのテクニシャンだったりしたら?

「やめ、どこ触って……え? あっ」

   オレ以外の男なんて知らないアスランさんだ。

「や、ァアッ ――え、なん……あ、やっ……そんな、ァアンッ」

   あれだけ淫乱なヤラシい身体してんだし、ほかの男を知ってもっと目覚めたかもしれない。

「あ、あっ んん!」

   背徳感がまた快感っていうか。

「ん、ぁ、んっ すご……っ は、ぁ…イイ……ッ」

   しかもこんな体格いいならアッチだってデカいに決まってる。

「アァッ おっき、い! やァアッ」

   それこそガンガンに攻められてガクガク揺さぶられて……

「も、ダメっ 壊れ……あ! んッ あんッ あ、は、アァー――……ッ」







パリーン


「ぅあすらんさぁあああん!!」
「!?」
 オレはアスランさんの上にダイブした。遠慮など一切なしで。
 アスランさんは何事かと顔を上げたようだった。
「あんまりですっ あんまりですよ! いくらオレがアンタよりちょっぴり小さいからって……!」
「え、は?」
 ぱちぱちと瞬きを繰り返すアスランさんに、オレは詰め寄る。
「そりゃアッチだってマグナムとは言い難いですけどっ」
「シ、シン。何の話だ?」
「このサイズでだってアンタを壊してみせます!」
「はぁ?」
 言うな否やさっそく襲いかかった。
「は? ちょ、シンいったいなにが……あっ」
「ゼッタイにオレだけで満足させてやります!!」
 燃え滾るオレを止めることなど、できやしない。
「だからなんのはな、し……ぁ、馬鹿こら……んっ あ」
 アスランさんは寝ぼけたまま流されていった。



 ベッドを盛大にギシギシと軋ませた後、アスランさんが弱々しい擦れ声でいったいなんだったんだと聞いてきた。オレが説明すると、洗濯物に交ざっていたのをそのまま持ってきてしまっただけだと教えてくれた。
「なぁ〜んだ。よかったー、アスランさんが浮気してなくて」
 本当にオレの妄想通りだったら、きっと立ち直れない。
「……お前、最初っから疑ってなんていなかっただろ」
 安堵の息を零しているオレに、アスランさんは胡乱な視線を向けてきた。

 バレたか。
「妄想は、アリエナイことだから楽しいんですよ」
 オレはキスで誤魔化すことにした。








END



ALEXANDRITE EYES   ひののき


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