紅き狼

□出会い
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何で!?
どうして俺と同じ顔した奴が!?
それよりあいつ、抵抗出来ない奴を…殺した!!
 
何故、どうしてと言う問いが頭を埋める。
訳が分からずただただ混乱するばかり。
そんな炯夜に対し、炯夜と同じ顔をした男が片手を炯夜へ向けて上げる。
男の掌には、直径20cm程の火の玉が出来ていた。
直感的に危険だと感じたが、動く事も逃げる事も出来ずに、その場に立ち尽くす。
男は笑みを更に深くし、手から火の玉が放たれ炯夜に物凄いスピードで迫ってくる。
 
――ッ!!殺される!!!!
 
思わず目をつむる炯夜。
ドンッ!!という衝撃と共に、服が、体が焼ける熱が襲う。
自身の肉が焼ける臭いが鼻をつく。
 
熱い…!!痛い!!
誰か…誰か助けてっ!!
 
 
 
 
 
『…ぉい!…起きろ!!お前!!』
 
その力強い声と共に、冷たい物が体を包み込んだ。
 
 
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