短編小説&元ネタあり

□姫りんごの歌
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姫りんごの歌





林檎の様に甘く、
すっぱく、

真っ赤



それは何?







何だろう・・・

多分、友情の為に。






あの人は こう答えました


魔女の心臓だわ


と。






「姫宮、凄いね!ボク、お祭りなんて久しぶりだよ」


「はい、私も久しぶりです。」

「そういえば、姫宮は、いつも

お弁当が縁日な感じだから、お祭りが好きなの?」


「ええ、お祭り、好きですよ。」


「本当にぃ?」


薔薇の花嫁であるアンシーは、

決闘で勝利した者の意見に合わせがちだ。

今は、そうではない、と思っているのだが。


「本当ですよ。ほら、林檎飴。

あれ、すっごく好きなんです、私。」

「へぇ、姫宮もか?ボクもなんだよねー。あれ、


すっごく美味しいよね。ボク、大好きだ。ところでさ、林檎飴って、何かに見えない?」


「・・・そうですね。魔女の、心臓に見えます。」


姫宮は、そう言うと、くすくすと笑った。

色黒の姫宮が、夜の暗さでさらに暗く見えて、

なんだか、ちょっぴり怖く思えた。


「ボクはね・・・


ボクは・・・お姫様に見えるよ」


「姫林檎、って言いますしね」



「・・・そうじゃないけど」


「あら、そうじゃないんですか」


「・・・うん。ボクは・・・」





王子様に憧れた、お姫様。


中途半端な存在。



甘いのに、
すっぱっくって、


まるで、ボクみたいだと思ったんだ。


ねぇ、姫宮、


姫宮は、なんで、魔女の心臓に見えるって思ったの?





「・・・。そろそろ、帰りましょう。」


「あ、あぁ・・・姫宮。」









多分、友情の為に。


ボクは、闘っている。


多分、みっきーの言う、輝くもの、は・・・


永遠に、見つからない。

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