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□鰤
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苦手、なんじゃない。
嫌いだ。
あの緩く笑いながらも笑ってない目とか結局のところ人のことなんて考えもしていない言動とか反抗を赦すまじとする威圧的な霊圧とか王として君臨している様とか。
全てが嫌い。
しゃくにさわる。
それをあっちも全てわかっているのに、わかっていて、見せつけてくる。
俺がそれに抗える程の力を持っていないと知らしめるように見せつけてくる。
厭でもわかってるってのに。
あの性の悪さが一番嫌い。
死んでしまえばいいのに。
後宮を歩いていたら先の曲がり角から急にヤツが。
「やぁグリムジョー。良い日和だね」
「…藍染、様」
何が良い日和、だ。
お前に会った途端に最低な一日決定だよ。
「今から一緒に紅茶を楽しむなんてどうだい?」
うざってぇ。
お前と人間的な馴れ合いなんてする気ねぇよ。
「せっかくのお言葉ですが、遠慮させていただきます。藍染様の手を煩わせる訳にはいきませんので。」
「そうかい?」
「はい」
言いたくもない敬語に口が気持ち悪い。
しかし必要性をいやってほどわかっているからムカつきとか抑えながら話す。
「それは残念だなぁ…」
「申し訳ありません」
これで終わり。
早く立ち去ってくれ。
そう願っていた(願って、なんて使いたくない)ら、
「君とゆっくり話せると思ったのに」
カツ、と俺に近づき
「本当に残念だ。」
頬を撫でた。
「!!」
瞬間、手を跳ね上げ距離をとる。
「そんなに縮こまらなくていいんだよ、グリムジョー。」
動きを注視するため見上げたら笑顔でこっちを見ている。
「一緒にお茶をするくらいなんてことないだろう?」
またあの目。
気持ち悪い。
「…俺、東仙に嫌われてるんで。あまり一緒にいるとまた言われます」
言い訳だが、本当の事だ。
俺が藍染といるとこなんてみたら後からねちねち小言を言ってくるのが目に見えてる。
小姑かっての。
「ああ要か…それは確かに仕方のない理由だね。では今回は諦めるとするかな」
今回は、じゃねぇ。
ずっと、だ。
「すみません…」
嬉しくて飛び上がりそうです。
「それじゃあまた、だね。グリムジョー。」
だからまたもねぇって。
「はい。では失礼させてもらいます。」
後ろに足を引き藍染から離れる。
背を向け歩みを数歩進めたところで引き止められた。
「グリムジョー」
「…?なンでしょーか」
「要にもう口出ししないよう言っておくよ!次はぜひともお茶を共にしよう」
そう、爽快にあの笑顔で言い去っていった。
最悪、だ。
やっぱあいつ死ねばいいのに。
>>嫌悪感を持つ