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□バブ
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 普段の高慢な態度からは考えられないような俺の前でする照れた顔や困った顔も好きだが、何より堪える時と怯える時の表情に体の内側から興奮が沸き上がる。

 暇過ごしに来たカラオケで、周りから見えない様に大腿の横っ側を爪で引っ掻くと、ひくりと反応し眉を寄せながらこっちを見る。しかしそれを無視し雑誌を読み続ければ、先程まで弄っていた携帯電話へと意識を戻す。自分の勘違いだと思ったのだろう、故意にやったことに気付かない彼に気を良くしてまた手を動かし、ふにふに大腿側面を摘むように揉む。膝より少し上、ソファと足との間に手を滑り込ませればさっきよりも大きく震えた。俺の手を諌めるように手を伸ばしてきたので指で強く膝裏の窪みを押すと、小さく息が漏れる。普段ならここら辺で激しい反抗に遭うんだけど、今日は周りに人がいることもありかなり我慢してる。人前である上に、いつものメンバーに加え女の子がいることが、唯でさえ悪くない感度を上げているのかも知れない。神崎くんは反応をしないようにして平然さを保っているが、それぞれに狙いのコを落とそうと話しかけたり曲を選んだり、関係無しに睡眠を貪ったりしてこちらを気にも留めていない。気付かない彼に馬鹿だなぁと思うが、それを解った上で手を出してる自分にどうしようもないSさを感じずにいられなかった。
 膝裏から大腿下部にかけ突っ込んでいた手(というか指?)を引き抜くと、ふぅと安心したような溜息を漏らす。まだまだなんだけどなぁと心の中で思いながらまた手を、次は臀部にぐっと差し込む。驚き浮かしかけた尻を足を踏むことで戻させ、浮いた拍子により中心近くに手を置くことに成功する。体重を掛けないようしているのをいいことに尻を掌全体で揉み、足の付け根迄滑らせると力が入らなくなった様で手に体重が乗る。それがとても良いタイミングで2〜5指は大腿、親指は菊門付近にあったので親指で服越しにぐにっと押し上げれば、や、と抑えた声があがった。
 にやけながら見るとキッと睨まれるが、欲の滲んだ目に全く恐怖は感じられない(まぁ普段から怖くはないんだけど)。口を開きかけるが閉じ、悪戯し始めてから握りっぱなしだった携帯を打ち始める。何処にメールしてんだろと観ていれば自分の携帯が振動し、メールを確認すれば『さいてい』と一言。『感じた?』とメールを返し、読むのと同時にまた親指に力を入れると『ぜったいあとで殺す』と返信される。後で、なんて悠長な考えでいいのかなと思ったけど言わずに、強く刺激を与え続ける。次第に殺していた体の反応が表出するようになり耐え切れなかったのだろう、上半身を倒し膝に肘をつく形となった。良い頃合いだと思いメールを打つ。『飽きたって言って外出よっか』。メールを見て顔を上げた彼にニコッと笑いかければ眉間に皺を寄せ口の形で馬鹿と言われる。尻に轢いてた手を引くのと同時に神崎くんは立ち上がり、それに続き立ち上がる。どうしたの?とか帰っちゃうの?と甘い声で聞く女の子達に飽きちゃったみたいで、と言いながら出入口に向かう。無邪気にバイバイと手を振る彼女たちは例え遊んでるコであってもやっぱり性別が違うからかわいくしか見えない、その姿に少し後ろ髪を引かれながらまた遊んでねと言ってから戸を閉めた。

 エレベーターに乗り込み人目がないので顔を覗き込もうとすれば思い切り反らされる。思っていた以上に拗ねているようだ。ドアが開きスタスタとカウンターを越え外に出て行くのを後ろから付いて、少し裏道に入った処でより細い道へと引き込み、ドン、と壁に押し付ける。この際両手を抑え、両膝関節間に足を捩込むのは忘れらんない自己防衛。攻撃を浴びたらたまらない、バイトに支障が出るし殴った本人が暫くしょげて宥めすかさないとならなくなるし。上から体重を掛けながら抑え、顔を覗き込む。
恥じるように伏せた瞼と若干朱く染まる頬、首元に浮かぶ汗にとても充たされた感じがする。この凶悪なまるで犯罪者のような顔を可愛く思う自分がとても歪んでるのはわかるけどどうしようもないよなぁと諦めて。だってほんとに女の子以上の可愛さと興奮をくれるんだから仕方ない。「これからどうしよっか」と嘗めるような目線をやりながら優しく声をかけて、どうするか考えることにしよう。

ああこの可愛いこをはやく俺のものにしてしまいたい!


自分勝手でゴメンネ★




***
さいていと言わせたかった

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