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□バブ
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ごはんのはなし

神崎くんは食に興味が薄く、食べるものも偏った偏食です。
とりあえずエネルギーを摂取のためにと昼食は栄養補助食品もしくは菓子パン一つで済ますため、10代男子の必要摂取カロリーに届きません。
そんな訳で神崎くんは東邦神姫の一人であるのにガリマッチョでありました。

ある昼時のことです。
買い出しに行く下っ端にそれぞれが注文をつけたり、食べに行ったりと昼の準備をしていました。
城山くんは神崎くんの側に寄り昼食について聞きます。
「神崎さん、今日はどうしますか?」
普段から神崎くん信仰(に見える)でちょっと気持ち悪い彼は食事時に、おめぇは母ちゃんか!というくらい神崎くんを心配しています。
いわゆるゴリマッチョ体型な自分が弁当にパンやおにぎりを足して食べる横で放っておくと食べもしない神崎くんに何か食べさせなければならないと義務感を持っていました。
しかし神崎くんは全くそんな事に気づかず城山くんの献身を無駄にします。
「明●のカフェオレ」
「…へ?」
「明●のカフェオレ、パックじゃなくて円錐のやつ」
「ええと、食」「腹減ってない。」
すぱっと一言。
一流剣士並の速さで城山くんを切り伏せました。
「まぁ今日何もしてないし神崎くんお腹すかないかもね〜」
KY?価格安いの略でしょうウフフフフな、読んでるのにあえて空気を読まないミスター・セミロングこと夏目くんが横から口を挟むことで城山くんは思い出します。そういえば今日は教室から殆ど出ていないと。
普段校内外でメンチを切ったり喧嘩をしたりと忙しく過ごしているものの今日は何も問題が起きず暇な午前を過ごしました。
通りで腹が減ってない訳だと思いましたが、食べさせない訳にはいきません。何故なら午後奇襲にでも遭っても動けないかもしれず危ないからです。
どうやって食べさせようかと城山くんがうんうん頭を悩ませる横で話しは進んでいきます。
「おい、円錐のほうのカフェオレな」
動かない城山くんを尻目に神崎くんは直接買い出し係、仮にAくんとします、に言います。
「は、はい!エンスイですねっ」
Aくんはうひゃー怖ぇ神崎!と思いながら返事をしますが、なんだか円錐の発音が変です。
神崎くんはまさかと思いAくんに尋ねてみます。
「お前…円錐ってわかるか?」
「はい、水をふきあげるヤツでしょう?」
「噴き上げてどうすんだ。円錐もわかんねぇのかお前、この馬鹿!」
案の定な返答に苛立ち、眉間に皺を寄せた顔で言われるものだからAくんはちびりそうになりました。
「もー神崎くん、怒鳴るんじゃなくて形教えたげないと買ってこれないよ」
夏目くんがAくんと神崎くんの間に入ります。
「"カッフェオーレが飲みったいな♪"って曲のカフェオレを知ってるかな?あれだよ」
「あーあのしましまのやつッスよね?」
「うん。あとメロンパンと北海道チー●蒸しパンと鮭おにぎりと納豆巻きとサラダスパゲティーよろしく。あとなんか新製品ー」
「は、はい!」
「じゃ行ってらっしゃ〜い」
夏目くんに多量の注文を受けたAくんは走り、出入口付近で友人を一人引っつかみ買い出しへと行きました。
様子を呆然と眺めていた神崎くんは夏目くんの大量の昼飯に呆れ顔で言います。
「よく食うなお前」
「神崎くんも食べるんだよ〜」
「ハ?いら」「いーじゃんいろんなの食べれるんだからぁ」
一人じゃいっぱい楽しめないでしょ?と言うと眉間に皺を寄せますが反論はしません。そんな神崎くんに夏目くんはにこりと笑いかけます。
「俺わがままにゃんこの世話してるみたーい」
笑みと一緒に要らぬ一言もポロリしましたが周りの喧騒(昼飯の取り合い)に紛れ、丁度いい具合に掻き消されました。

待つ間、どんな餌付けをしようかと夏目くんは厚い皮の下で悪い顔をしながら神崎くんと話します。
すっかり存在を忘れられた城山くんは今だマイワールドから帰ってきません。きっと現実に戻ってくるのは神崎くんがご飯を食べ始めてからでしょう。
Aくんとそのツレが昼ご飯を持って帰ってくるまで時間はけっこうあるのでした。







おわり。
*******
偏食とガリマッチョを出したかった筈が時間をあけたら内容忘れました。オチなんだっけ…?
夏目くんは抱き心地をよくする為に食わせるんだと思います。あと彼は食べさせるときフツーにあーんとかします。気持ち悪いです。

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