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□バブ
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酸の海に沈めたい


ぬちゅぬちゅと卑猥な音を立てる神崎の秘孔に夏目は笑みを零す。
「わかる?俺の指3本飲み込んでるのにまだ開くよ」
神崎は元は四つ這いだったが快楽により崩れ落ちたため上半身はクッションを抱き込み、下半身は高く上げたままである。それはまるで夏目に尻を出すような格好、いわゆる女豹のポーズに近く、男の支配欲を激しく刺激するものである。
不本意な刺激に感じる己に恥じ、全身が燃え上がるようだと神崎は思う。喉は感じた事がない程に熱く、痛く、震える。何処を触られても腰へと響き、じんじんと体の奥から快楽が引きずり出されるようで我を失いそうになるのが堪え難い、こんな姿を見られるくらいなら死んでしまいたいと孔を弄る夏目を恨めしく思うのだった。
そんな考えをしていることは知っているが止める気はない夏目は自分を入れる準備を丹念に行う。深く傷付けるのは心だけでいい、傷を作って塩を摩り込みぐっちゃぐちゃの回復出来ない状況にまでして自分無しで生きられなくなればいいと考えながら事を行う。

ローションをたっぷり、指を伝わせ中に流しこむと冷たかったのだろう、噛み締めていた唇を離し声があがった。
「ヒ!ィ、…ャ、」
しなる背中と絞まる穴に久しぶりに聞けた声に夏目は嬉しくなる。
「すごい反応だね。そんなに冷たいの直接がよかったんだ、」
指はローションを満遍なく行き渡らせる為動かし続けながら体を倒し、耳元でもっと入れよっか?と呟きかける。
「ッッ、、やめ!ン!」
耳孔に直接入る声とあたる息に肩を竦めることでしかやり過ごせない。
「神崎くん、すごく可愛い、こっちむいて、声出してよ」
可愛いわけがないと言いたいのに言えないのは与えられる快楽が大きすぎるからだ。自分でさえ聞いたことの無いような声が喉をつき、抑えこんでも鼻から抜ける。その抜ける音でさえ恥ずかしくて堪らないのに声なんか出せるわけがない。この顔を見せるなんて以っての外だ。
クッションに顔を押し付ける形に戻った神崎を夏目は興奮した顔で見る。顔は厳つく高校生に見えなくて、性格は冷酷で自己中心的で何処にもかわいらしさなんてないのに、性交を始めた瞬間快楽に喘ぐ声、反応する体を抑えきれないだなんて。こんなに敏感なのに彼はどうやって女とセックスをしてきたのだろう、脊柱に沿って舌を這わしながら考え、この汗の味を知る女がいるのだろうかと思うと苛立たしく感じられた。
一度苛立ちを感じると思考はそれにもっていかれる。
いくら孔を弄り良いところに当ててもクッションを抱き、必死に声を出さないようにする神崎にカッと目の前が赤くなるような衝動を感じて、感じてしまえばもう止まるところなんて知らない、わからなくなる。
そこからの行動は速かった。
俯せから仰向きにひっくり返して腰を掴み、呆けている間に男根を捩込む。
「?!、ャあア゙ア゙ッッ」
イキナリの衝撃に背を反らせ四肢を引き攣らせる。丹念に解していたとはいえ初めてのアナルへの挿入では簡単に入りきるものでなく、半分ほどで止まってしまう。
「!キツ、力抜いて神崎くん。まだ半分だよ」
「ヒ、」
揺さぶるが力は抜けない。
長い愛撫に溶けた身体、精神であろうと基本的に人は痛みに順応しない。しかも本来排出する器官であるから猶の事である。
締め付けられる痛みから顔を顰める。孔に押し込まれた神崎に比べれば自分はまだマシなものだろうが痛いもんは痛いし、何よりこの状況がとてもクるものがある。
「ね、神崎くん、力抜いて。きついまんまだよ」
「無理、だ、痛い、」
涙を溜め、口から出る弱音に興奮が高まる。
「っ!」
「あーごめんつい」
「馬鹿!おっきくすんな!」
締め付けられてまた反応する夏目に神崎はもう嫌だ、抜けよと抵抗をするのも諦めくずり出す。
そんな姿にも興奮するわけだがわからないのだろう。夏目は手を延ばして頬を撫で、案外に柔らかい肌を味わう。
「ぅ…」
「抜くのは無理だから一緒に気持ち良くなろうね」
言うが早いか神崎の前を掻く。今のいままで触られなかった前部への刺激は強すぎ、抑え切れない悲鳴をあげる。
「ヒィ、ヤアあア゙アッ!!」
あげると同時に力を抜ける孔に夏目は残った半身を突っ込んだ。
尻と腰部のあたる、パンッ、と生々しい音が全体が入ったことを示す。それは女とするときにあがる音と同じで神崎の羞恥と夏目の興奮を誘った。
ヌ゙ッと音を立て腰を引くと直ぐに押し付ける。
「ゥぐッッ」
内臓を引きずり出される感覚に神崎は吐き気を感じる。感じるが声を抑えることが先にやらぬばならないことで、口を閉ざすと咥内に胃酸が広がる気がした。

まさかこれが今後幾度となく繰り返されることになると神崎は思いもしないだろう。夏目は必死に快感に耐える神崎を狂おしい程に愛おしく思う。
悍ましいまでの執着をするのだった。

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