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□バブ
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※夏目が変態のMです。




血友病になって死んでしまえばいいのに!


好きだと言って欲しいと言った男の頬を蹴り飛ばす。
1.5m程、元の位置から離れた男の頬は赤く擦った様な後があるだけで、鼻血くらい出せばいいのにと残念に思う。急所を避けたのなんてバレバレなのに、痛いなぁと薄ら笑いを浮かべながら言う姿に首の下の方から寒気立つのがわかった。
すげぇ嫌な感じがする。いや、感じでなく絶対ここから去らないとほんとヤベェ、これ。
そう思うが逃げるのは自分のプライドが廃るから、睨んでどうにかなる相手ではないが睨まずにいられない。

「そんなに睨まないでよ、悲しくなっちゃう」

首元を手で摩りながらこっちに向かい始める夏目に舌打ちをして一歩後ろに下がる。

「うぜぇよこのマゾ。死んぢまえ糞っ垂れ」
「ふふ、マゾとか初めて言われたなぁ!何処らへんがそうなの?」
「蹴られて喜んでるとこだろーが。下も起こしてんじゃねぇか」

若干の膨らみを見せる股間部を侮蔑の目で見たのに、より笑顔を濃くする。
これ迄数えられない程他人を蹴り飛ばして来たが、こんな反応は始めで本当に気持ち悪い。引く。仮に在たとしても同じ反応だったろう。

「別に蹴られて勃起した訳じゃないんだよ」
「ハ?」
「いま、神崎くんが俺のことしか考えてないってのに興奮してんの。わかる?俺を蹴って俺を見つめて俺と話して俺に追い詰められてる。この状況に興奮するなって方がおかしいよね」
「!!」

背部に壁を感じ、左右に目をやった瞬間に両手で頭の横に壁を作られる。

「ふふふ、これで逃げらんない。俺はね、神崎くんの穴もいいと思うけど神崎くんが俺を揺さ振ってもいいと思うんだ」

股下に足を入れ込み、顔をぐっと近付けられる。
何が嬉しくてこんな状況にならないと駄目なんだっつの。

「どっちでも関係ないくらい、寧ろ両方したいってくらい好きなんだよ。俺は、神崎くんになら何をされても構わない、わかるかなぁ」
「っー解る訳ねぇだろこのド変態!早く退け気持ち悪ぃ!さっさと死んでしまえ!」

ぶわっと全身に及ぶ程の寒気が立ち、唾が飛ぶくらい大きな声で叫ぶ。
やっぱさっき逃げときゃ良かった!プライドなんていい、精神的にすげぇクる。

「〜〜もーっっ!そういう処がたまんないんだよ!」
「何ンブッ!?」

いきなり頭部を捕まれて、口に噛み付かれる(キスなんてかわいいもんじゃない)。
頭と顎を固定され舌を捩込まれるのは本当にたまったもんじゃなくて、ぐねぐねと動くもんに毛穴がかっ開く。

「ぅぐ、、ぁ゙、」

口の端から垂れる二人分のヨダレを夏目の手が救う時に顎を固定する力が弱まり、その瞬間に舌を噛む。

「!!」

咄嗟に離れた頭部を殴り、足を払い転ばせ、胸の裏側を蹴りつけてから走り逃げる。
夏目がゲホゲホと噎せながらも後方から何か叫ぶが何も聞かないよう全力で走った。



教室から近い階段の柱に手を付き息を整えていると間が悪く城山が通りかかった。

「か、神崎さん!どうかされたんですか?!」
「ハァ、ハ、うるせぇ…話させんな、」
「?…体調が悪いんですか?顔が蒼い上に唇が切れてる」
「!」

口元を押さえ指を添わすと痛みの走る点があり、それと同時に先程の事を思い出し気分が一気に悪くなる。
目の前が歪み、足の力が抜けるが城山が支えて転倒は免れる。

「神崎さん!」

そんな悲壮そうに大声を出すな、頭に響く。

「るせ…頭痛くなんだろ馬鹿」
「!すみません…教室に戻りますか?それとも帰りますか?」
「教室…の前に口、すすぎてぇ」

言うと半ば抱き抱えるように寄せ便所に連れてかれ、そこで口をすすいでいたら胃液が上がってきて噎せる。水を含んですすいでは噎せるの繰り返しをする中、城山はずっと背を摩っていた。

一段落つくと、随分重心が落ちていた為か抱き上げられて胸元に頭を落ち着かされる。
まるで女にするようなそれに腹立たしくもあるが反抗する余力もない。
とりあえず咥内から消えた血の味に嬉しさを覚えるだけだった。

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