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□いちまん
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朝9時までに朝ごはんは食べましょう


朝の4時に目が覚めた神崎は、二度寝しようにも全く眠れそうになかったので近所のコンビニまで暇潰しにいくことにしました。
寝間着のタンクをそこらにあったTシャツに替え、スエットの後ろポケットに財布をつっこみ廊下へと出ようとします。しかしそこで静まり返る家の中に、普段は帰ったり帰らなかったりするのになにか気後れをして、こっそりと廊下に出ました。

ぎしり…きし、…きし。たまに鳴く床に誰も起きないことを願い、肩をすくめながら台所へと向かいます。これは神崎宅が広い一軒家で(理由はまぁあれです)居室からいちばん近い出入口が勝手口なためです。誰か若いのが朝食の用意をしているかと思いましたがまだ暗く、ほうと溜息をつき自分専用のつっかけを引っ張り出しコンビニへとちんたら歩き始めました。

朝方ということもあり、少し温度の低い空気は日中のように汗を吹き出させず、幾分心地よくコンビニまで歩けました。
自動ドアが開くと冷たい風が一気に外へ出ていきます。ひやりと体表温を奪うそれに心地よさを覚えつつ店内に入れば客は一人しか居らず、店員は暇そうにレジ前で雑誌を読んでいます。神崎は先に立ち読みをしていた客に並び立ち読みを始めました。

神崎の鼻から汁っぽい鼻水がでかけ、寒気を覚えたころにはもう日が道を染める頃となっていました。家を出た時はまだ夜の色が濃かったので、けっこう時間がたったことを示しています。
読んでいた雑誌を閉じ、飲料コーナーを見ながらパンなどの総菜をみましたが腹は特に減っておらず興味がわきません。
しかし、アイスの冷蔵庫にチラリと目を向ければパ○コのヨーグルト味がそこにあるではありませんか。夏季に出るそれは、ヨーグルッチ大好きな神崎にとって外せない夏の味です。これがあれば他の物はいらないとパ○コを1つ手に取りレジへ持っていき、暑くなり始めた外へと出ました。
出て早々に封を開け1つちぎり、食べながら暑くなる陽ざしに家路を急ぎました。

勝手口を開くと若いのが朝飯の準備を始めており、彼はまさか勝手口が開くとは思っていなかったのでとても驚きました。神崎はその反応に舌打ちするでもなく台所へと上がり今日の朝食は何かと尋ねると、今日はじゃがいものきんぴらとアジの干物、きゅうりとわかめの酢の物に豆腐とねぎの味噌汁ですと勢い良く返事がきました。その声の大きさに今度こそ舌打ちをし、じじくせぇと漏らせば苦笑いと共に持っているビニール袋について尋ねられました。ああこれ、とパ○コを出すと1つは食べたもののもう1つまでは体が冷えていたことから食べれずに残っています。
神崎はビニール袋を飯係りの男に投げ、片付けておけと言うと部屋に戻りました。

それから時間が経ち朝飯を食べに行くと一品、いびつな卵焼きが増えており、食べると甘く神崎の好む味付けでした。


おわり
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お家のイメージはご〇せん(原作)。
東日本の日の出時間がわかりません。

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