オリジナル
□離れられない
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ぽたり、ぽたり
血が刃物からつたい落ちている。
「・・・・っ・・・・ふっ・・・・!!・・・・!!!!!」
青年は返り血を浴びたまま体をぶるぶると震わせ、
座りつくしていた。
転がる死体からは血が流れだし血の海は広がる。
ガチャン、ドアが開く音がした。
コツコツコツ、歩く音が聞こえ震えている青年の前で止まった。
震え続けている青年。
血で汚れているのもかまわず青年の前に座り、震えている青年の顔に手を添え唇にキスをした。
「恐かったね、もう大丈夫。
俺が何とかしとくからね?刃物を置いて、俺の部屋に行こ?」
耳元でささやくと青年は刃物を床に投げつけすがり付くように抱きついた。
青年を抱き上げその部屋を出た。
部屋のドアを開け、浴室へと足を運び中へと入ると青年の服を脱がし、体をきれいに洗い流した。
「ほら、きれいになった」
「・・・・・うそだ・・・・うそだうそだうそだうそだ!!!!
無理してきれいだなんて言ってんだろ?
だって俺は!!!!」
言葉を続けようと口を開くと、
「海里」
言葉を戒め、海里を抱きしめた。