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□少女金魚
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「てゆうか何、何でわたしみたいな清廉な魂がこんな目に遭ってんの?」
「オイそれ行ってて悲しくなんねーか」
「なってたとこだからツッコむなよ、空気読めよ」
「え…いやあの、何かごめん」
「…いいよ、わたしこそ言い過ぎたよ」
「…あーつまりだな、オメーは何かしら未練を持ってるっつーことだ。
成仏できねー魂なんざ、現世からしてみたらメーワク以外の何者でもないからな。金払わねーのに場所だけは取るっていう」
「何かやだなソレすいません」
「いやそこはツッコめよ。魂が場所取るかよ」
「うぜえ」
「てかわたし未練なんてないよ。世の中めんどいと思ってたし」
「内容なんざ俺が知るかよ。そんなこまけーことまでこちとら付き合っちゃらんねーんですぅ」
「人様が死んでからも気にしてるような事象をこまけーとか言うなボケ」
「そんなん気にしてたら仕事になんないんだよ。
俺らの仕事は悩み相談じゃねェ。兎に角邪魔なオメーらをとっととあの世に送ることなんだよ」
「邪魔って、」
「だってそうだろ?思念体のお前らがこの世に留まったって何一つ出来やしねーんだよ。
それどころか生きてる人間に影響及ぼして、最後は悪霊になるのが関の山だよ」
「………」
「だから俺たちは…って聞いてる?」
「…聞いてない」
「何この子ほんとウザイ」
「未練なんてないもん。
親もいないし親戚も顔知らないし、友達もいないし」
「さみしーヤツだなお前」
「黙れ天パ。それに別にどーでもいいと思ってたんだもん。
てゆうか何ぽっくり逝っちゃってんのわたし。てゆうか眠い」
「寝んなコラ。寝たら死ぬぞォォ…ってもう死んでんじゃん★」
「………」
「うわあごめんなさい、謝るからその目やめて」
「しょーがねえな」
「…うぜえ」
てゆーかわたし達、一体何回うざいうざい言ってんの。
ホントだよ。文字数の無駄だっつーの。ホラちょっとお前謝っとけよ。特に天パの大御所に対しては丁寧にな。
すいませんホントうざいんですけどこの天パ。
いやテメーのがうざい。さっき名前教えたじゃん。超カッケーって誉めたじゃん。
一言も言ってねーよ。
あんだっけ?アホの坂田?
何その中途半端な忘れ具合。ベタだけど態々そんなんつける親いねーよ。
じゃあ何かもういーじゃん天パで。カッケーよ天パ。
『天涯孤独、一匹狼気取ってるけど実は淋しがりやなパーマン』の略的な感じで。
長ェェェェェよ!!!!
てか意味わかんねーから何でパーマン!?
頭がパーだから。
それ中身だろ。中身の話してんだろ!
知らないよ、坂田ウザ時さん。
いやウゼーのオメーだからホント!
少
女
金
魚
「…あ、思い出した」
「何よ」
「わたしの未練ってさぁ、きっと奴らのことだわ」
「奴ら?誰それトモダチ?」
「うん、超ヤバイよアイツら。超ヤバくなくなくないくらいヤバいよ」
「いやわかんねーから」
「ふはははバカめ」
「…うっざ」
あのさ、わたしってば金魚のことが心配だったんだよねぇ。