【よみきり集】

【番外編】
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クリスマスイヴ。


ホグワーツの生徒のほとんが、
それぞれの家へと帰るため、
学校は、ガランとしている。




クリスマスシーズンに入ると、
毎年、大広間には大きなクリスマスツリーが、飾られる。


休暇が始まる前、
僕は、フリットウィック先生が飾りつけたツリーを眺めながら、いつもと同じようにサクラの隣で、食事をとっていた。

僕の恋人である彼女の声が、
耳にチラつく。


______ねぇ、ロン。私のチキンも一個あげるわよ。


全く。
サクラはそうやって、
あまり食べないもんだから、
華奢で小さいままなのに。

そんなことを思いながらも、
僕は、
決心
を、して、フォークを置いた。

ハーマイオニーやロンに気づかれないように、サクラのローブの袖をつんと引っ張る。


「ん?どうしたの?」


サクラが、僕の方へと向いた瞬間、シャンプーのようないい香りがした。
チキンの香りと混ざって。


「・・・シッ!」


僕が、人差し指を口にあてると、


______あ、ゴメン・・・!


と、サクラは、
口に手をあてた。


「で、何何?・・・どうしたの?」


ヒソヒソと声を潜め、
サクラは、僕に、
ぴたっとくっつき、耳を傾けた。


「あのさ・・・、」


ハーマイオニーが一瞬、
僕らの方を見たが、
何も見ず、何もなかったかのように、目を逸らした。

彼女なりの、気づかいだろう。


再び、ロンとデザートの取り合いを始めた。


「サクラは、休暇、日本に帰るの・・・?」


「え・・・、」


うーん・・・

と、眉間にシワを寄せ、
唇をアヒルのようにつき出し、
考え込んでいる。




駄目でもともとだ!
言うだけ言ってしまおう______





今年のクリスマスは、
二人で過ごしたいと。
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