夢小説 SD
□3
1ページ/10ページ
飼い猫である黒猫のダイナは、
飼い主の膝の上でうとうとしている。
琴美は右手に携帯電話。
左手でダイナの頭を、撫でている。
携帯のボタンをカチカチと押すたび、
クマのストラップは、ゆらゆらと揺れる。
________よし、送信完了!
日本に来てから買ったばかりのピンク色の携帯は、まだまだ新品同様で
傷ひとつない。
当然、アドレス帳の登録件数はごくわずか。
そのなかに、流川楓=@と登録されている。
それは琴美にとって
嬉しいような、くすぐったいような、不思議な気分なのだ。
「流川君のアドレス・・・、シンプルだなぁ」
流川楓。の、楓。
頭文字のKと、数字。
(たぶん、誕生日などを意味する数字かもしれない。)
「ダイナ・・・流川君てね、すごくモテモテなのよ。・・・・すごくカッコイイから・・・、」
ダイナはにゃんとも、すんとも言わず、
目を閉じたまま、ゴロゴロと喉を鳴らしている。
「好き・・・だなぁ。私、流川君のこと。ダイナと同じくらい好きかも」
________大好きかもしれない・・・
発作を起こして苦しい思いをしながらも、
流川君が自分を抱き上げて、保健室まで連れて行ってくれたことは、
鮮明に覚えている。
筋肉質な胸や腕。香りまでも。
________________________
19:50
件名:藍沢です☆
--------------------
本文:
流川君に、迷惑かけちゃったね。
ごめんなさい・・・(>_<)
でも、わざわざ保健室に連れてってくれて、本当に助かりました!
ありがとう(^_^)/
流川君のアドレス、登録させてっもらいました☆
私のもよかったら登録お願いします(^o^)丿
番号は、080-XXXX-XXXXだよ
_END_
___________________________