夢小説 SD


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飼い猫である黒猫のダイナは、
飼い主の膝の上でうとうとしている。
琴美は右手に携帯電話。
左手でダイナの頭を、撫でている。
携帯のボタンをカチカチと押すたび、
クマのストラップは、ゆらゆらと揺れる。



________よし、送信完了!




日本に来てから買ったばかりのピンク色の携帯は、まだまだ新品同様で
傷ひとつない。
当然、アドレス帳の登録件数はごくわずか。
そのなかに、流川楓=@と登録されている。
それは琴美にとって
嬉しいような、くすぐったいような、不思議な気分なのだ。




「流川君のアドレス・・・、シンプルだなぁ」




流川楓。の、楓。
頭文字のKと、数字。
(たぶん、誕生日などを意味する数字かもしれない。)





「ダイナ・・・流川君てね、すごくモテモテなのよ。・・・・すごくカッコイイから・・・、」




ダイナはにゃんとも、すんとも言わず、
目を閉じたまま、ゴロゴロと喉を鳴らしている。




「好き・・・だなぁ。私、流川君のこと。ダイナと同じくらい好きかも」





________大好きかもしれない・・・





発作を起こして苦しい思いをしながらも、
流川君が自分を抱き上げて、保健室まで連れて行ってくれたことは、
鮮明に覚えている。
筋肉質な胸や腕。香りまでも。






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19:50

件名:藍沢です☆
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本文:

流川君に、迷惑かけちゃったね。
ごめんなさい・・・(>_<)

でも、わざわざ保健室に連れてってくれて、本当に助かりました!
ありがとう(^_^)/


流川君のアドレス、登録させてっもらいました☆
私のもよかったら登録お願いします(^o^)丿

番号は、080-XXXX-XXXXだよ


_END_



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