夢小説 SD


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見てはいけないものを見てしまった。
誰もいなくなった教室の隅っこで、
ふたりがセックスしている光景なんて。
マイケルもジェニーも裸に近かった。
獣のように互いを貪るようにしていた。
繋がり合って激しく腰を動かしながら、
マイケルはその快楽に時折呻き声を漏らし、
ジェニーは壁に手をあてて
後ろからマイケルを受け止めていた。
すすり泣くような声、甲高い声、
それらを交互に上げながら。
聞こえてきたのはこの声だったのだ。
恋人は自分以外の女を抱いていた。
平気で浮気をしていた。
そのまま通りすぎればよかったのかもしれない。





「・・・マイケル?」




よせばいいのに
恋人の名前を呼んでしまった。
マイケルは息を弾ませ、ジェニーを抱いたまま振り返った。



「琴美!?」



さすがに彼は少し驚いた顔をしていた。




「どうして・・・・?こんな・・・・・」




恋人の浮気現場の目撃。
まるで頭を鈍器で殴られたようだった。
マイケルは、しばし黙っていたが口を開いた。



「なんだよ?めんどくせえな・・・!」



第一声はこれだ。



「!?」

「俺を責めるつもりか?おまえが悪いのにか?」



謝罪の素ぶりも、言葉も、一切ない。




「邪魔しないでよね。さっさと行って!」




浮気相手のジェニーも口を開いた。
乱れかけた髪をかき上げ、
ブラジャーが外された胸を手で覆いながら。
全てが終わった瞬間だった。
マイケルの言っている意味は、わかっている。
心臓病持ちの恋人はいらない。






「あーあ・・・、嫌なこと思い出しちゃったなぁー」



琴美はベッドから降りて、
脱ぎ散らかした制服をたたみはじめる。
ダイナがベッドの上から鳴き声を上げた。




「ずーっと前のこと。ダイナが家にくる前のことよ」




ブレザーをハンガーにかける。




「ダイナ、おいで。下に降りて一緒にごはん食べよ」




ゴ・ハ・ン!
その言葉にダイナは、ピクっと反応した。
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