夢小説 SD


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やっと、この恋が叶ったと思った。
琴美も自分のことを思っていてくれた。
それなのに、恋人同士になることを
琴美は拒んだのだ。


ダメなの



そのダメ≠フ理由を、
琴美はこたえてはくれない。




________何がダメなんだっつーんだ!?



再び琴美とはあの日以来、
一切言葉を交わしていない。
(むしろ、目も合わせようともしない。)



数メートル先にいる琴美を見つめた。
彩子の隣に立ち、何やら話しこんでいる。




_______チクショウ・・・・!



こんなに見つめていても、絶対にこっちを見ようとしない。
少し前までは違った。
遠くからでも目が合えば琴美は、微笑んでくれた。


頑張って!

お疲れさま!


とか、なんとか言ってくれていた。



入院していた二年の宮城リョータが復帰し、
バスケ部はますます賑やかになっていたにも関わらず、
琴美の心は晴れることがない。
ストップウォッチを手にコートのそばに立つ。
視線は自然と流川を追ってしまっていた。
流川が力強いダンクを決めると、
バスケ部全員の視線は流川に集中する。




______やっぱり・・・・カッコイイな




こんなにも近くにいるのに、遠い存在。
流川のそばにいれることは本当に幸せ。
だけど・・・・
そばにいればいるほど、見つめれば見つめるほど、
気持ちは溢れるばかり。

琴美はそれを恐れた。



________晴子・・・・




今日もバスケ部の応援に来ている晴子へと目を向けると、
晴子は流川に見惚れていた。
これで何度目だかわからない。
流川と晴子が恋人同士になるべきだと、琴美は自分に言い聞かせた。



________病気を持ってる私なんか・・・・ね



自分が流川の負担になることも嫌だった。
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