□貴方の為に
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次々と片付けられる木簡や書物たち…
普段も、これくらいやる気があったらいいのに。
と、思うくらいの働きである。
「あと少し!あと少し!」
なにやら、やけに燃えているハクオロの背中をベナウィは見つめていた。

「終わったぞ!ベナウィ!」
キラキラした笑顔を浮かべたハクオロから、最後の木簡をベナウィが受け取り、確認をして、そして…
「はい確かに、お疲れ様でした、聖上」
「でわっ!」
身を乗り出し、目を爛々にしているハクオロに少し引きつつも、約束は約束。
「ええ、聖上…」
願いをどうぞ、と言う前に何故か両肩がガシッと捕まれた。
「ベナウィ、お前の尻尾を触らせてくれ!!」
「…………はい」
ものすごく良い笑顔で言われてしまい、縦に首を振るしかなかった。
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