Novel

□鈍感な君
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僕はいつものようにカタカタとパソコンに向かっていた。特にやりたいことがあるわけではなかったけれど、情報収集は欠かせない。
「創也ぁ〜」
そんな時、間延びした声で内人君が僕を呼んだ。
「何だい?内人君。」
振り向くと彼はソファーからこっちを見ていた。
「今思ったんだけどさ、何で創也ってぼくのこと君付けなんだ?」
「そんなことかい?」
僕は呆れたように言う。
「そんなことって…結構重要じゃん?」
「内人君は内人君だよ。」
僕は会話を打ち切り、椅子をくるりと回してパソコンの方を向こうとした。しかしその椅子を引っ張られる。
「何だい?内人く..」
振り向こうとしたら、予想以上に内人君の顔が近くにあり驚く。
「内人君...?」
その距離、15センチ程度。思わず顔を赤らめて、目をそむける。
「何、照れてるの?創也。」
「照れてない!…とりあえず離れたまえ内人君。」
視線を逸らしたまま、言う。
「そのむかつく口調はいつでも変わらないんだね。」
「良いから離れたまえ。」
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