Novel
□無くなった鍵
1ページ/6ページ
外では雨が降っていた。
「嫌だなー…、雨は嫌いだ…」
と呟きぼくは溜息をついた。ぼくは今、中学校にいる。今は数学の勉強中だ。
「此処、宿題だからなー」
と先生が言っているが、ぼくは聞いていない。外をぼんやりと見ていた。
チャイムが鳴り帰りの会も終わり放課後になった。
皆が帰って行く。創也もきっと帰ったんだろうなぁ…と思いつつぼくは帰りの用意をし始めた。
「よぉ、内人。」
声がして横を向いた。横ではニヤニヤとした顔をした達夫がいた。
「あ、達夫。どうしたんだよ、帰らないのか??」
とぼくが尋ねると達夫はぼくの背中をバンバンと叩いた。達夫が叩くと強い為、凄く痛い。
「行ったろ??今日はテストなんだ」
「テストぉ??」
「あぁ。」
達夫が威張る。その時、達夫がいきなり抱き付いて来た。