Novel

□甘栗の國のアリス
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僕ははっと目を醒ました。

此処は、何処─?

毒々しい色のカーペットに、寝そべっていた。ふかふかしたカーペットは、僕が眠れる位柔らかい。(僕は何処かの誰かさんと違って、床で眠れるほどタフじゃない。)
「アリス?」
僕がカーペットをいじっていると、下から声がした。
「やぁ、アリス。」
「アリス..?」
「そう。君がアリスだ!」
「待って。僕はアリスじゃない。竜王創也。」
「君はアリスだよ?」
「創也だよ。」
「ところでアリス」
…流された。
「お腹が空いたのかい?」
「いや、特には。」
おかしなことを聞く芋虫だ。
「アリス。キノコを食べたいんだろう?」
「キノコ…?」
「先程から食べようとしているじゃないか。」
「…まさか、このカーペット…」
「カーペットではない。キノコだ!」
「…やっぱり…」
「キノコを食べるなら気をつけた方がいい。半分は大きく、半分は小さくなるからね。」
なるほど。不思議の国のアリスと同じか。つまり、僕は今小さくなっているのだろう。キノコの上で眠れる位だし。
「あ!」
僕が考えていると、白い耳が視界に入る。
「シロウサギ!」


シロウサギを追う→3ページへ

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