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□Kaleidoscope.
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ロックオンは性器から手を離すと、先走りと精液で濡れたそれを自分たちの目の前に持っていき、ランプにかざしてじっくり観察する。

「…あぁー、今日のはちょっと濃いな」

しばらくお預けだったからか、と刹那に問いかけると、案の定彼は顔を真っ赤にして自分の出したものをよく見ようとはしなかった。


「刹那、どうしたんだよ。恥ずかしがって」

「………うるさい」

自分の出したものなど恥ずかしくて直視できるわけがない。
顔は赤いままいつもの刹那に戻り、視線を合わせないでいる彼はとても可愛らしい。

ロックオンはフッ、と笑うと右手に付いたそれをペロリと舐めとり始めた。

「………!?」

刹那はその行動に大いに驚く。
自分の出したあの液体が他人に舐められるのだ。
恥ずかしいことこの上ない。

「ん、どうした?」

ロックオンはしらばっくれるように聞いてくる。
こいつはバカだ…と刹那は本気で思った。

「欲しい?」

「………っいるか!!」

刹那は睨み付けながら大声で否定する。

しかしロックオンは何か思い付いたような表情を浮かべると、手についた真っ白な精液を大量に口に含む。
もう味には馴れている。

口に入れたまま、ロックオンはそれを刹那の口に持っていく。
刹那は驚いて逃げようとするが、彼によって後頭部が固定されている為逃げることは出来ない。

「………んっ…んんぅ…、うぁっ…ん…」

ついに口が繋がると、その隙間から一気に精液が流し込まれ、刹那は口内に侵入してきたその苦味に顔をしかめる。
全てを注ぎ入れるとロックオンは唇を離し、刹那を見て余裕の表情を浮かべた。

「自分の味、どう?」

フフッと鼻で笑われる。

「………………バカ」

刹那は小さく彼を罵倒した。
この大人、ロックオン、いや、ニール・ディランディには敵いそうもない。




「可愛い、刹那」

そう言ってまたロックオンは刹那の首筋に顔を埋めようとする。

―――――ロックオン…

その時刹那はぼんやりと思った。

ロックオンは、本当に自分だけを見てくれているのかと。

愚問だということは分かっている。
しかし時々どうしても不安になってしまう。

愛しているからこそ、その人をどうしても独り占めしたいと思ってしまうのだ。
ロックオンのこの身体も、この愛撫も、心すらも全て自分のものにしたい。

他人になんか絶対に渡さない。
絶対に離さない。


以前二人で町に出て、ロックオンが二人の女の子に呼び止められた時、自分の中で生まれたのは嫉妬だった。

―――――彼は自分のものなのに…


ロックオンは変わらず自分を愛してくれるし、愛の言葉も毎日くれる。
でも足りない。
もっと欲しい。

自分からロックオンに愛を伝えたい。
本当に自分だけを愛して欲しい。
自分だけを見て欲しい。



「んー刹那、いい匂い…」

ロックオンは刹那の胸の辺りに顔を押し付け、背中をきつく抱き締めながら甘い香りを堪能していた。


その時、

「……?ぅわっとっ!!刹那!?」


ロックオンの下で寝ていた刹那は、いきなりロックオンの身体をひっくり返した。
かなり重かったが、油断していたロックオンは思ったより簡単に返すことができた。

「………………?」

ロックオンはきょとんとしている。
当たり前だ。
一瞬で上下が逆転したんだから。



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