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□Inspire.
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薄暗い部屋に断続的に響く嫌らしい水音。
肌と肌がぶつかり合う音。
艶かしい矯声。
部屋に入れば、一瞬で何をしているか分かってしまう程。
そんなことを考える余裕もないベッドの中の二人は、ただ目の前の快楽を追い求めている。
「………んっ…あっ…」
腰を高い位置でつかまれ、必死に快楽に耐えている刹那は、ロックオンの激しすぎる性器の挿入にただ矯声を漏らすしかなかった。
「…いいんだぞ、刹那。我慢しなくて。思いっきり鳴け。」
ロックオンは余裕のある声で刹那に告げると、一層腰の動きを速めた。
「っ……あぁ…あっ…あっ…」
それでもシーツを固く握りしめて、心を解き放とうとしない刹那に苛つき、ロックオンの胸の奥で嗜虐心が渦巻いた。
刹那が鳴いてくれないと快楽は得られない。
ロックオンは途中で抜き差しをやめ、一度高ぶった性器を刹那の秘孔からひき抜き、刹那を乱暴にベッドに倒した。
「……うっ…あっ…」
刹那はベッドに横向きに倒れると、肩を震わせ目からは生理的な涙が溢れている。
後ろの孔からはロックオンの先走りがどろどろと流れ出てくる。
「…な…んで…」
いきなり性器を引き抜かれ、刹那は困惑しロックオンを見つめる。
快楽を与えてくれるモノが遠退き、慣らされた後孔はひくひくと疼いている。
火照った身体はどうしようもなく まだ快楽を追い求めようとびくびく痙攣している。
「不満か…刹那?」
ロックオンはベッドに横たわる刹那を見下ろしながら、余裕ある声で言った。
「なんで…ぬ…いた…の…?」
刹那は震える声でロックオンに問う。
もしかして俺じゃ快楽を得られないのか…と刹那は不安に思っていた。
「何故やめたか…分かっていないようだな…」
ロックオンは声をいつも以上に低くし、刹那を睨み付けた。
…怒っている…
ロックオンの怒りに刹那は混乱し、益々震えが止まらなくなる。
「ロック…ごめ…」
「もういい。」
ベッドから降りると、投げてあった下着に手を伸ばし、着替えようとする。
刹那はどうしたらいいかわからず、泣き出したい衝動にかられてしまう。
「ロックオンっ…待ってっ…!!」
刹那は必死でロックオンにしがみつく。
しかし冷たい目で見下ろされると、怖くなって手を離してしまった。
「…何だ?」
「俺に不満だったら…謝るっ…だけど…出ていかないで。せめて今夜だけは一緒にいて…」
涙が頬を伝う。刹那は必死でロックオンを引き留めようとする。
いつからだろう、こんなにも刹那の中で彼の存在が大きくなったのは。
寂しい…というだけで彼に抱いて貰った刹那は、いつの間にかだらだらと身体だけの関係を続け、暇さえあれば互いを求め合うようになった。
日を追う毎に激しさは増し、気付けばベッド以外の場所でも抱き合うようになった。
格納庫、誰もいないブリッジ内、トイレ、バスルーム、コックピット内部でも…。
身体だけ、心までは求めないと決めていた刹那は、優しく時には激しく抱いてくれるロックオンに、いつしか惹かれていった。
いけない感情だということは分かっている。
しかし甘いキスをされる度、熱い欲望が中に放たれる度、日増しにロックオンへの想いは強くなっていく。