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□Manipulate. T
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キスマークってなかなか消えないって知ってる?


どんなに君が普通を装っても、その細い体にはいくつものイヤらしい跡が残っている事



僕は知ってる










*



…ロックオンと刹那が、情事を重ねていることくらい、そういう事に鈍い僕でも気づいていた。

刹那がロッカールームでパイロットスーツに着替える際、どうしても見えてしまう紅い印。
本人は出来るだけ隠すようにしているみたいだけど、僕にははっきり分かってしまう。

アザが出来ているということは、そこに噛みつかれた証拠。情事の激しさを物語っている。

一体どんな体位で、どんな状況で、二人はどんな顔をしていたのか、刹那はどんな声で鳴いたのか――― 1人でいる時、つい頭に浮かんでしまう。

恥ずかしくて人には言えない。
でも、僕だって男だ。穏やかそうに見えても、心の内側に醜い欲望を秘めている。

分かって欲しい。

人間なんて綺麗な生き物なんかじゃないって事を。

誰もが残酷で冷酷な心を持っているって事を。



刹那は日を追うごとに落ち着かなくなっていった。
ターバンを首に絡ませ、時々顔を真っ赤にしてそれに顔を埋める。
静かに目を閉じているその仕草はかなり色っぽい。

後ろ姿はかなり無防備で、そっと近づいて抱き締めることだって出来る。
以前は他人に対して敵対心剥き出しだったのに、最近では本当に素直になって、僕が話し掛けてもちゃんと応えてくれるようになった。


おそらくロックオンが大きく関係しているのだろう。


刹那との距離が縮まったのは嬉しい。
話してみたらどこにでもいる普通の少年だったし、意外に話も合う。

僕を兄みたいに慕ってくれているみたいだし、別に不満はない。
これはロックオンと刹那が周りに秘密にして付き合い始めたことに始まる。
ロックオンに対する愛情が、刹那を変えたのだ。

ここまで刹那自身を変えるとは驚きだった。
彼に感謝しなければならない。
刹那と打ち解けることができたのだから。


談話室でロックオンと刹那が戯れる。
刹那はぶっきらぼうだが、彼なりの優しさでロックオンに応える。

ロックオンが刹那の髪にキスをする。
刹那は顔を赤く染めてロックオンを小さく戒める。

微笑ましい光景だ。
可愛らしい。
あんな刹那を見るのは初めてだ。

みんな彼の、ロックオンのおかげ。
ロックオンが刹那の心を開いたのだ。




…じゃあ僕って一体何?


ふとした瞬間に、刹那の首や肩に付いている、その紅い跡を見てしまうと、何故か心がざわついてしまう。

落ち着かない。

苦しみが心の底から這い上がってくる。


…自分が刹那にその赤い印を付けてあげたい。
彼を愛した証拠。
自分が刹那の白い首筋に噛みつきたい。
自分の所有物だという証。
刹那の唇を貪りたい。息が出来ない位激しいキスをしたい。
胸の突起に舌を這わせ、それを舐めて転がしたい。
秘部に吸い付き、イヤらしい水音を響かせたい。
その細く小さな身体を押さえつけて、貫きたい。
前からでも後ろからでも激しく、更に奥まで、何度でも。
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