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□Manipulate. U
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キスマークが消えない


一週間経っても消えない


赤く鬱血したそれは



俺に嫌でもあの行為を思い出させる





*





「………………刹那?」


刹那の目からポタリと涙が落ちる。
アレルヤは眉間にしわを寄せて困惑している。

目の前には何も羽織っていない全裸の刹那の姿。
細い身体はサイドランプに照らされて艶かしく光り、恥じらう彼は一層それを際立たせている。

首筋には無数の赤い印が残り、口周りには白いどろどろした液体が溢れていた。

そしてこの匂い。
刹那の涙でぐしゃぐしゃな顔……。

どんなにバカな奴でも、先程まで彼らが何をしていたかが一瞬で分かる。


「……ぅ…ぁっ…っっ…」


刹那は言葉にならない呻き声を洩らしてシーツに顔を伏せた。


「…………ロックオン、これってどういう…」


アレルヤは訳が分からないと言った風に後ろを振り返った。

ロックオンはソファーに優雅に足を組んで座っている。
まるでこの状況を楽しんでいるかのように、口許に怪しい笑みを浮かべながら、にやにやと彼らの様子を見ていた。


「………何って、見ての通り」


気づかないのかよ、と面倒くさそうに呟くと、ロックオンの茶色い前髪が彼の顔に垂れた。


「……さっきまでコイツとヤってたんだけどさー、ヤる前から刹那が今日は嫌だって言ったの。でも案の定、舐めまわしてやるともうドロドロ。淫乱に開発されちまって」


ロックオンはにやりと笑う。


「カワイーだろ?今の刹那。べとべとで見てるだけでもイっちまいそうで。奥まで味わうと更に絶品だぜ」


いつもより更に低い声で呟いた彼は、まるで犯罪者のように怪しい雰囲気を放っている。
アレルヤはそのプレッシャーにぞくっと身体を震わせ、再び裸のままうずくまっている刹那を見下ろした。


「………………」


アレルヤは放心状態に近かった。


「…おい、どうした?」


ロックオンが急に不機嫌そうな声を出す。


「………わいそう…」

「………あ?」

「…ロックオン、こんなの、刹那が可愛そうだよ……」


アレルヤの言葉に、ロックオンは気に入らないという風に眉を少し上げる。
刹那はガタガタ震えて今にも壊れそうだった。


「これじゃあ、いじめと変わらないじゃないですか。僕たちは同じマイスター同士なのに…!!一体どうして刹那にこんなことを…?」


本当に心を痛めたアレルヤはロックオンを優しい口調で非難する。
しかしロックオンは黒い笑みを浮かべたまま、更に残酷なことを言い放つ。


「何でって……、俺たち恋人同士だから?」


おどけたように言うと、ロックオンはククッと笑った。


「嫌だって言ったくせに簡単にこいつは一回出した。そして更にシッポを振った。…それでもなんか物足りないようだったから、お前を呼んでやったんだよ。確かに最近マンネリ化だったし?」

「………なっ!!?」


いかにも自分はいいことをした、と言う風な言い方をするロックオンに、アレルヤは更に困惑する。
彼が信じられなかった。

刹那は横を向いて震えたまま。
白い肌はうっすらと紅潮し、額にかかった髪は汗でべとべとである。
なんとか己の身体を隠そうと、シーツをたぐりよせて必死に秘所を隠している。


――――これが本当に恋人のすることなのか…?


意図が全く掴めず、アレルヤは混乱する。
さっきシャワーを浴びたばかりなのに、裸の刹那の姿を見てうっすらと汗をかき始めた。


「…どうだ。その気になってくるだろ。なら刹那と一発ヤってもいいぜ。今日は気分がいいからな。お前に譲ってやる」
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