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□Manipulate. V
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僕のキスマークがついた可愛い人形を


またこうして弄ぶ






他人のおもちゃだということを知っていながら





*





刹那は感じやすい体質、なのだと思う。


ロックオンと出会ってから…、いや、違う。
きっとあれは天性のものだ。

男が、しかも多感な16歳の少年が、あんなことをされて普通気持ちよく喘ぐはずがない。
首筋を舐める、それだけで彼の身体はみるみる赤く染まり、相手の次の反応を期待している。
少年兵時代激戦の中を生きてきたからであろうか、本能を刺激する行為、例えば食事とかセックスとなると、その事以外何も目に入らなくなるのだ。
がっついている、というか必死な感じで、全く周りが見えなくなる。


そのひたむきさは、普段理性に縛られて生きている人間たちの心を惹き付けるものがあった。
普段表情を崩さない彼だからこそ、その仮面の裏にはどのような素顔が隠されているか知りたくなるのだ。

刹那はセックスの時は驚く程無防備で従順。
全身が性感帯のように震え、小さな身体で必死に男を求める。

…ロックオンが彼にハマるのにも無理はない。
きっとロックオンは刹那の何もかもを知っているのだ。

身体中、どこを触ったらどう感じるか。
どこを舐めたら涙を流すか。
どこを突いたら甘ったるい声で鳴き出すか。

全て知っているのだ。


きっと僕を誘ったのも、何か理由があるのだと思う。
過去に童貞を喪失した経験が、こんなところで役に立つなんて思ってもみなかったが、今はとにかく、目の前の快楽を追い求めるしか為す術はない。

久々のセックスは、忘れていた人間としての本能を呼び覚ましてくれる。
所詮、自分もただの雄なんだなって思う。

苦しそうな刹那の顔を見ると、自分の中で真っ黒な感情が渦巻いた。


犯したい、と思った。
鳴かせたい、と思った。


実は男は女より感情的、情緒的なのかもしれない。

本能のまま突き動かされる僕は、まさに獣の如く、普段の冷静さを失って完全に陶酔していた。



目の前の刹那を、ただの快楽の為のおもちゃとしか思っていなかったのだ。





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