ロク刹 シリーズ連載
□crimical. -後編 ◆
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「俺が本当に欲しいものは…、お前だよ、刹那」
ティエリアは刹那を壁に追いやり、逃げられないように両手を壁についた。にやりと黒い笑みを浮かべると、刹那は恐怖でカタカタ震え出した。ティエリアの美貌はますます妖艶なものとなり、それがかえって刹那にはティエリアが化物であるかのように感じられた。
次に何をされるか見当もつかない刹那は、何も口に出すことが出来ない。
ターバンは取り払われ、首筋が露になっている。おとといティエリアに首を締められた際にできた赤いアザと、昨日のロックオンとの情事で付けられたキスマークが浮かび上がっている。しかし刹那はそんなことも気にならず、ただ目の前の恐怖に怯えるしかなかった。
ティエリアはそれらのアザを舐めるように見るとニヤリと笑い、次の瞬間、いきなり刹那に顔を近づけてきた。
刹那は身を引こうとしたが、ティエリアに阻まれ叶うことなく、かろうじて首から上だけを動かした。
ティエリアはそれを狙って刹那の首筋顔を埋めたかと思うと、いきなり歯を立てて刹那の肌を噛んだ。