zebra crossing!

□02”ノンシャランアベック!
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先輩はグリフィンドールで
いつもへらへら笑ってて、
大嫌いな人だった。

今ではあの頃の僕を
馬鹿に思う。




当時はある意味本来の僕
(つまり、闇)だったのかも
しれないけれど。



ちなみに、
先輩はストーカーだ。
僕を見つけては
駆け寄ってきて、
後をひっついてきた。




きっかけは知らない。
気がつけば側に居た



けど、僕は混血を
一番嫌っていたのだから、
とんだ苦痛にすぎない。




だからある日
自分から話しかけた。



いつも無視だから初めて
まともにしゃべったの
かもしれない。




「付いて来るな」

「私いちお先輩だよー」

「………なんで毎日ついて
くるんですか」

「レギュ君が好きだから」




何が何でも唐突すぎだ。
僕はストーカーに告白されて
あろう事か此処は大広間。
つまり、人が多い。大体が
遠巻きにこちらを見てくる。



最悪だ吐き気がする
しかも相手は混血。
今まで面倒だから
放置してたけど、
そろそろ突き放すのも
いいだろう。





「僕は大嫌いです。
さようなら先輩」

「あ、ちょっと待っ……」

「穢れた血が近寄るな」




その時の先輩の顔は
ショックを受けたような
顔をしていて、立ちすくんで
僕はその先輩をそのままに
寮へと帰っていった。




最後にちらりと後ろを
盗み見たら、兄さん達が
彼女へと駆け寄ってくる
ところだった。





「…………なんで居るんですか」

「なんででしょう?」

「僕が聞いてるんです」




3日目の朝だった。
せっかく突き放したのに
たった3日で帰ってきた
ある意味衝撃的。




二度と姿を現さないと
思っていたのに。
というかそうあって
ほしかったのに。


だけど目は腫れて熊が
できていた。彼女なりに

悩んだみたいだ





「やっぱりねレギュ君が
好きなんだよね」

「何も知らないくせに」

「全部とはいかないけど、
少しくらいは知ってるよ。
うん、知ってる。
レギュ君は優しい人なの
困ってる人が居たら
さりげなく助けるし、
本当は闇に染まるのも
ブラック家に従うのも
嫌でお兄ちゃんの
シリウスのことも
大好きで尊敬してて」




初めてだった。
誰にも言ってないし
誰にも言われたことが
なかった。


自分の奥をさらけ
出されて、平気で
いられるわけがない。
この女、馬鹿に見えて
違った。嫌だ。
なんなんだよこの女。




ふと意識が戻ってきた
気づけば人気のない
廊下へと来ていて
息は続かない。




無意識に走っていたらしい。
しかもさっきは人の多い廊下
また目立つようなことをした
嗚呼、あの女に関わるとろく
なことがない。


だというのに後ろにはその女。
こっちも息が上がってる




「言っときますけど僕は
優しい人なんかじゃないです。
特に混血やグリフィンドール
なんか助けません」

「違うよ。レギュ君は混血でも
グリフィンドールでも助けるよ
例えば道に迷ってる
人がいたら
「邪魔です。グリフィンドー
ル寮はあっちです。
早く目障りなので
消えてください。」
だとかさ。私がそうだったし」

「邪魔だっただけです」

「私の時と違って優しく
グリフィンドールで
しかも混血の女の子に
そんな感じで道
教えてるの見たけど?」




言い返せない。
きっと正しいからだ
ちなみに、彼女のとき
口が悪かったのは
ただ前をうろうろしてて
本当に邪魔だったし、
兄と仲がいいのを
知っていたからだ。




困ってる人を見ると
助けようとする。
常に紳士でいるように
と育てられたせい
なのかもしれない。





「貴女なんか嫌いです」

「私は大好きだけどね」




そこが嫌なんだ
人の心に土足で
入り込んで惑わせる。


そして僕は罠に
かかったように揺らぐ。
愛なんてどうでもいい




そんなん
だから、
悪の帝王。


こんなのらしくない
だから惑わせないでください









◆◇アトガキ◇◆

何故かいきなり
過去編突入!
なんとも微妙なタイミング!
しかも続きますので
ご注意です










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