第一章
□自殺女の話
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太陽で光る活き活きとした葉っぱ、そんな庭に囲まれている喫茶店『Black SPHIA』。
今日もお菓子の香ばしい匂いと紅茶のいい匂いが漂っていた
昨日買った卸したてのヒールを鳴らし、彼女は人が溢れる満員電車に乗った。
電車に揺られていたら、何か太ももに違和感を感じ、その手を取ろうとした。
そしたらその手は彼女の手首を掴みその男の下半s…」
「あー、だめだめカラス君!!!そこはもっと臨・場・感込めて言ってくれないと…一流の俳優になんかなれませんよ!」
筒状にしたチラシをカラスに突きつけるユダ。気分は監督らしく、偉そうにウォッホン、と咳き込む。
そんなユダに今日の朝刊を投げつけ、カラスがキレた
「うっせぇな!!!んなこと言うんだったら自分で読んどけ!!!つか何で痴漢の記事だよ、あ?朗読させんな!」
「だって、毎日毎日普通に読んでたら面白くないじゃないですか。こうやって読んだほうが面白いし」
「だから何で俺だ、てめぇで読んどきゃいいだろ」
「カラス君が読んだら見てておっかしいから?」
「テメーーーーー!!!」(怒
ドタバタと床を鳴らし店内を逃げ回るユダを追いかけるカラス、ユダの部屋を走ると本棚の上から塵がパラパラと落ちてくる
「もー、さっきから何を暴れてるんですか二人とも!」
二階からエプロン姿のラスティが降りてきた
「あ、ラスティちゃん♪おはようございます、今日も可愛いですねぇvV」
「おはようございますユダさん、カラスくん」
「うっす。ラス子、昨日教えたやつ作るのか?」
「はい、レモンも買ってきました」
ニコニコ顔のラスティ、そんなラスティにユダは首を傾げた
「何を作るんですか?」
「マドレーヌ、この前食いたいってこいつが言ってたんだ」
「お願いしますっ、カラスくん」
「おう、材料用意しとけ。すぐに行く」
「はいっ」と元気よく返したラスティは再び二階へと登っていく。
作り方を思い出してるカラス、するといきなりユダが彼の眼帯を引っ張った。
バシィイ!!!
「いって!!!何すんだユダ!」
「仲よさそうですねぇ、二人とも…」
「は?何言ってんだお前」
「いーなー…僕もラスティちゃんと一緒に作りたーい」
「材料全部無駄にするつもりか」
「酷いカラス君!!!僕だってやるときはやるんですよ!!!」
「って言ってどうせ作らずにつまみ食いする気だろ!」
「あれ?バレちゃいました?」
「見え見えなんだよお前の魂胆なんか!!!」
いつものように変わらない時間が過ぎていく…
その時だった
バンッ!!!
「私の息子を知りませんか!?」
突然店の扉が開き、乱暴に掻き回したような髪の女が息を切らしながら入ってきた
「…お前息子いたの?」
「狽「ませんよ!!!」
いきなりのことに驚き、変なところにツッコミをいれてしまうカラス、息子疑惑を持たれたユダは必死に反論する
「それに、僕は娘がほしいなっ、ねvV」
「え?」
大きな音を聞きつけて、下りてきた来たラスティにユダは話しかける。
さっきの事といい今の事といい、彼女は状況が理解できていないため頭には?マークしか飛んでない
「やめろオヤジ、気持ち悪ぃ」
「気持ち悪いってなんですか!!!そーゆーカラス君だって気持ち悪いじゃないですか!」
「ああ!?俺のどこが気持ち悪いっつーんだよ!!!」
「男なのにフリルエプロンしてクッキー作ってるところとかー」
「それはお前が俺のエプロン隠したからじゃねぇか!!!代わりにあんな気色悪いもん置きやがって…!」
「あれは傑作でしたね〜、ここに大量にありますよ?ほら」
「何撮ってやがるんだてめーーーは!!!」
「ちょっと二人ともっ、ふざけてないで…ほら、お客さんですよ!」
カラスの衝撃写真をひらつかせているユダと、それを奪おうとするカラスはラスティの言葉で喧嘩をやめ、訪問者に視線を向けた
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