少年陰陽師(普通)

□手をのばしても・・・
1ページ/8ページ



まるで
大きな山椒魚のように
ヌメヌメと
毒々しく光る体から
触手が伸びてくる。








恐い



私は

こんな化物の

一部になってしまうのか?


いや

駄目だ

逃げなくては



だって

私はまだ

伝えていない



騙されていた

そんなことにも

気付かないで



あの時

のばされた手を

素直にとっていれば

こんなことには

ならなかった





伝えたい





あの優しくて

力強い腕で

私を支えてくれた


綺麗な

朝焼け色の瞳をした


私の心を

初めて

こんな気持ちにさせた人





この気持ちを伝えたい――













_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ