オリジナル小説

□咎人-とがびと-の少女
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これは、とある少女の物語。





ある処に少女がいた。

少女は天界から秘密裏に遣わされた天使だった。

天界から降りた少女には人間の家族が出来た。

人間の祖父、
人間の祖母、
人間の父、
人間の母、
人間の兄、
人間の妹。

彼等、彼女等は皆一様に少女が自分の、
人間の孫であり、
人間の娘であり、
人間の姉であると思い込んでいた。

理由は簡単。
人間らしい形をしていて、
人間らしく翼も尻尾も無く、
人間らしく不思議な力も使わず、
人間の言葉で話すから。
だから、人間だと思い込んでいた。

唯一人、兄を除いて。

兄は知っていた。
何故知っていたのかは解らない。

然し、人間の中で兄だけが、『妹が人間では無い』事を知っていた。










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