短編((リボーン

□満月に
1ページ/2ページ


*雲雀はバンパイア設定です。








いつだって一人だった






だから君が眩しかったんだ






暗闇のなかに明るく咲いた一輪の花のように











『僕はバンパイアだから』




あの日僕は君にそう告げて別れた




本当は離れたくなんてなかった






出来る事ならずっと君のそばに居たかった







『雲雀さんには私が居るよ』






笑顔でそう言ってくれて嬉しかった






ずっと暗闇をさ迷っていた僕の目の前に突然現れた明るく輝く一輪の花




それは、君






君と居る時間はとても甘くて穏やかだった











でも、それと同時に辛い時間でもあった








君は人間

僕はバンパイア






君を見るたびに



君の香りがするたびに



君の事を考えるたびに







僕の中でバンパイアが暴れだす







好きだから

誰よりも

想ってる君だから










欲しくて堪らなくなってしまう







君の血が



君のすべてが









近くに居る事は許されない









君のすべてを奪ってしまいそうで










次の満月に僕は滅びるだろう










君を想いながら










どうか、僕を忘れないで










人間に恋をした哀れなバンパイアを










それでも、僕は幸せだったんだ










君は人間

僕はバンパイア





END


→後書き
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ