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□緋紅的牡丹
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「ライカ…………好きだ」


ライカの潤んだ唇で
ライカが発する言葉は

もっと 淫れて
もっと 哭いて


Desperate Defeat Dogの犬神様に
緋紅的牡丹


恋人と言えども 一人は軍人もう片方は副社長。
前々から時間が取れないのも当たり前だが、久々に会う今日の仕事は、無理矢理昨日に終わらせて。ガンガンにクーラーの効いた副社長室でライカと炎山は座っていた。

「炎山」
「どうしたライカ」

ライカは疑問に思った事を口に出した。
何故 俺は炎山の膝の上に向かい会って座っているのだろうか…と。

「決まっている」
腕を回して抱き取る
「お前の匂いを独り占めしたくて」
夢の形よ
「こうしたいのが」
美しき君が其処に居る
「俺の願望だ」
奇跡を密かに愛しむ

首筋に顔を埋めて、香を吸う。
石鹸の爽やかさと、蜜の様な甘さが炎山の鼻孔を占めた。

「ライカ」
「炎山どうし……ふぁ」

返事と同時に触れる唇。
      絡まる舌。
   なぞられる歯列。

炎山の長い指がライカの頬を包んで、ライカの視線は炎山しか見えない。
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