book3

□ALICE
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大きな屋敷、館の主であるミヤビが居ない夜
細い首、絡み付く。見えない長い指
一緒にいるバレルも、アメロッパに帰って。
手鏡に映るのは三日月とあの人の影
屋敷にはライカとキリサキしか居ない。

Desperate Defeat Dogの犬神様へ
キリライ小説『ALICE』


バタン。
風に揺れたライカが飛びあがる。

「別に、物音何て怖くないもん」

自分のベッドの中でライカが蹲る。
もう少しだけ側にいて
風がびゅうびゅう吹いていて
あたしのことを忘れないで
嵐の様な天候で、ボロ…古い屋敷は揺れる。
過去と現在が
ベッドの隅で小さくライカがふるえていた。
時間の国でひかれあう
誰かをただ、待っていた。
嗚呼、此所は何時でしょう
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