book3

□愛してる?
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「愛してる、か。」
「勿論。」
「……嘘つき。なんだな」
「勿論。」
「ぜんぜん話を聞いてないな。」

ライカからため息が漏れた。

ライカについての5つのお題。
愛してる?

彼女が、再び勿論と言い放つ。
タイミング良く、相槌をうちながら本を読んでいる。
中身は、トレンドやらファッションやらプログラミングが一気に詰め込まれた、理解し難い本だ。

「話を聞いてないな。」

やれやれ、と呟かんばかりに言ってみた。望んだ答えは、勿論。ではなくて、いいえ。まともに話を聞いていたらしい。

「馬鹿にしてるの、ライカ。」
「いいや、そんな事は無い」
「……で、ライカは手を繋いで隣街までイチャイチャしながら、歩けばいいの?」

深い息を吐き出すように、本を閉じて、ライカを見据える。

「愛には形が無いものよ。イチャイチャするのが、愛でもあるし、イチャイチャしなくても愛なの。」

形が見えなくちゃ不安?
彼女がそう、問掛けた。

「そんな事はない、楽しく喋れれば、幸せだ。」
「そうね、私も。愛してる。…ってたまには、言うべきね」

視線が重なり、互いにクスクス笑う。

「幸せにしてよ、未来の旦那様」
「……気が早く無いか?」

そんなやり取りが有ったとか無かったとか。
誰も知らない。
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