book3

□愛してる?
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「モタモタするな!!キリキリ働け」

男達を足蹴にし、女の教官は教官鞭をピシャリと鳴らし、声を荒らげる。

「訓練だぞ、訓練。これが、実践ならお前達はオダブツだ!!」

ライカについての、5つのお題。
この緑が。

「ほら、ソコの緑。」
「……俺、ですか」
「当たり前だ、お前以外に緑色の髪がどこにいる?」

そうですね。皮肉を込めた言い、ライカは、再び持ち場に戻ろうとした。
矢先、ライカは教官に呼び止められた。
皮肉が効かなかったのか、はたまた、皮肉に対して怒るのか、どちらかだ。と思い振り返る。
教官は笑っていた。

「綺麗な色をして、お前はまるで薔薇の蕾だな。」

綺麗な蕾のクセに、いっぱしな棘や毒を持つ。素直にならないのか、ひねくれ屋。
クスクスと、笑い教官は叫ぶ様に、言い放つ。

「お前ら、よく聴け。今日は、気が変わった、この緑色パッツンのオカゲだぞ。有りがたく、思いやがれ」

ケタケタ笑いながら、教官が建物に帰って行くのを、ライカが止めた。

「どうした…パッツン?」
「人の容姿だけで、それを言わないでください。」
「悪ィ悪ィ…で、どうした。」
「ライカです。教官。」
「そうか、ライカか……頑張れよ少年。」
「はい。」

ライカは大きく頷いて、敬礼をした。
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