Book4
□でぃと。
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「羅舞、電話。」
「ありがとう」
ナビにオート電話を繋いでもらうと、見慣れた顔が映った。
羅舞は、視線を移しながら適度な挨拶をする。
「お久しぶりですガロンさん」
営業用の笑顔で、笑いながら羅舞はそう言った。電話先の相手は、アメロッパの兄弟。ガロンとバレル。
「光姉、アメロッパで良い雰囲気のでるデートスポットは無いのか?」
電話の画面に乱入するようにバレルが映る。きっとライカとデートなのだろう。
だが、男男の―――(自主規制)の世界に、私は入って良いのだろうか。と悩み、思いついた。
「良いわよ。そのかわり
ね?約束よ?」
じゃなかったら、料金30%倍増ね。
背後に、黒い何かが伺える以上、賛同しなければならない。例え、ソレが不当な料金であれどもだ。
暗黙の了承。
沈黙の肯定。
すくなからず、どちらも脅しだ。