24hours of Vampire

□STORY5―遺志を継いで
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―P.M.20:50―
「だーかーらっ、あたしにもわかんないんだってば!!」
タイスたちは教会の隣のタイスの家に移っていた。少し太った警官とタイスの言い合いはもう1時間半は続く。警官もさすがにイライラしてきたらしい。教会にあったわけのわからない2つの死体と得体の知れない白尽くめ集団、それに加え、タイスのめちゃくちゃな説明(本人曰く最善を尽くしている)のおかげで完全に混乱していた。
あまりに動くタイスにけがの手当てをしてくれている隊員も何度もじっとしてと注意している。おばさんは救急車で運ばれ、何とか一命をとりとめたようだ。ルーディンは頑なに治療を受けようとせず、タイスから少し離れて椅子に座っている。
「わからないって・・・おまえこのままじゃ犯人になるぞ。」「何でだよ!!やってないって何回言えば、わかるんだよ!どこのどいつがあんなわけのわからない集団呼んで、教会破壊パーティーなんかやるんだ!」
ルーディンはその何度も繰り返されるやり取りを黙って聞いていた。ルーディンは様々なことに思いをめぐらしながら、部屋の中を見回した。アメリカではこんな物にあふれた生活が出来るんだな、などと思いながら見ていると、近くの台の上に写真たてに入った写真を見つけた。ルーディンは立ち上がり、それを手にする。男性と女性の写真。ルーディンにはそれがタイスの両親だとすぐにわかった。金髪の気の強そうな女性はタイスそっくりだった。そして、男性はタイスの祖父、神父にそっくりだった。ルーディンはタイスを見た。相変わらず言い合いは続いている。「タイス・・・、タイス・・・・ヴォルテン・・・。」ルーディンは小さくつぶやいた。


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