24hours of Vampire

□STORY7―探し物
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―P.M.12:37―

 ニューヨーク。そこはビルと人と機械の群れる場所。巨大都市を貫く大通りは車にあふれ、人にあふれる。行きかう人々はみなスーツ、もしくは休みだろうか、派手な格好で舗装されたきれいな歩道を行き交う。大通りをはさんで立ち並ぶドアマン付きのブランド店。高級そうなものがいかにも高級そうに飾られたショウウィンドウ。向かいのライバル店と競い合うファストフード店。ところどころに噴水を囲み食事をとる人々の姿もみられる。聞こえるのは大画面から伝えられる世界のニュースや路上ライブの音楽、車のクラクション、ブレーキ音。裕福な人が住み、華やかに生きる美しい街。
 ルーディンはその雰囲気に圧倒され、口をあけたまま辺りを見回す。田舎者丸出しのルーディンにタイスは恥ずかしくなる。彼を通りすがりの人々が不快そうな目で見る。田舎者だからではない。肌の色が問題なのだ。タイスはそんな通りすがりの差別者たちににらみをきかす。






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