24hours of Vampire

□STORY3―許さない
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 男の怒りがあふれ出す。「悪魔め!!」
 タイスは集団のほうを振り向いた。「その言葉そっくりそのまま返すわよ。じいちゃんは毎日祈ってたんだ。みんなが幸せに暮らせるようにって。」
 タイスは軽蔑した態度をとった。「でも、それは絶対に叶わないってわかった。願いを聞き入れてくれるはずのカミサマは悪魔だって勝手に決め付けて、目の前で人が殺されてるのに何もしなかった。そんなカミサマに仕えてんのがあんたらみたいな連中だもんね。世も末よ。」
 「貴様・・・!!」目の前の男がタイスに飛びかかった。タイスは男の攻撃をすらりとよける。そして、男の持っていた長い棒のような武器をつかむと、男の手からねじり取った。そして、そのまま男の腹を強く突く。男は後ろに吹っ飛び、壁に強くたたきつけられる。
 タイスは鼻をならす。「アクション映画みたいなことって案外できるもんね。」そして、棒を大きく振り回す。青年の側にいた集団が後ろに飛びのく。
 タイスは青年の横に立った。青年が頭を少しだけ持ち上げた。そして、今にも枯れそうな声でタイスに言った。「やめろ・・・逃げるんだ・・・俺は・・・」
 タイスは強い声でそれをさえぎった。「じいちゃんがあんたを助けようとした。だったら、あたしもあんたを助ける。」青年はつぶやいた。「俺は・・・。」タイスは敵に集中した。
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