小説

□01白いうなじ
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肩で切り揃えられた美しい紫の髪の合間からちらちらと見え隠れするうなじはなんともいえない色香を醸し出している。
そのうなじに触れたくて、あわよくば唇をおとしたくて、無重力の中でふわふわと舞う髪の毛につられるように僕は後ろからその白いうなじを追い掛ける。

手が届きそうで届かない、そんな距離がもどかしい。
でも距離を縮める事は出来ない。
そんな弱い自分を嘲笑うように一際紫の髪が揺れる。
そして僕の目にティエリアの嫌そうな顔が写った。
「欝陶しい」
そうぴしゃりと言うとティエリアは自室へ入っていった。
白いうなじにつられて僕はいつの間にかティエリアの部屋の前にきていたらしい。
そんな自分に苦笑してしまう。


魅惑的な白いうなじに触れられるようになるのはいつのことやら……



配布元:Aコース

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