S.S(FF6)
□銀のスプーン
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『お届けものです』
辺鄙な山奥の山小屋には不釣り合い過ぎる
"それ"
は、しばらく会っていない兄からだった。
『食器?……すげーな、全部ホンモノの銀?王族って、金が無駄に余ってるのか?羨ましいなぁ〜』
兄弟子は、換金すればいくらになるのかの計算をしていたけれど。
お師匠様は、こう言った。
『銀には、殺菌作用もあるし簡単には割れないから経済的だ。それに…』
…少しだけ声をひそめてお師匠さまは言った。
『毒と銀は反応する。毒が入っていれば、その食器の色が変わるのだよ』
『毒ぅ!?』
『まぁ…ここでは使う必要はないのかも知れないが…』
イヤな記憶。
父の死因は毒だった。
飛び出した砂漠の城。
手紙がついていた。