S.S(FF4)
□missing**
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カインがいなくなった。
気が付いたら、ミストと、バロンの間に巨大な大地の裂け目が出来た。
状況が、状況なだけに、さすがに死んだか、とも思った。
今までも、戦場で、人は、簡単過ぎるくらい、あっさり死ぬって、イヤというほど見てきた。
最初の1人は怖かった。
あとは、慣れてしまった。殺す事よりも、そこに腐敗の始まっていく死体がある事が不愉快になっていったぐらいだった。
ある時を境に…任務とはいえ、人を殺すことが、快感になった。
心の奥底では、イヤだと泣き叫びながら。
本当は、自分でもよく分からない。
いつからだろう。多分、
━━暗黒騎士
そう、呼ばれるようになってから。
カインは…実力はあったのに拒んだ、暗黒騎士。
竜騎士の家系だと言うのもあるけど、あの聡明な幼なじみは、おそらく『暗黒騎士』の恐ろしさを知っていた。
彼には『断る勇気』と、『竜騎士としての誇り』があったのだ。
そんなカインを、暗黒騎士である僕が請けた殺戮の任務に巻き込んでしまった。
のみならず
━━━━消息不明
いや、僕が無事なんだから、きっと。
僕が生き残って、彼が死んでいい道理がない。