S.S(FF4)
□pray…
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pray…
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ゴルベーザ…
俺とは、少なからず因縁がある男。
セシルの、兄
だった、とローザが言った。
俺は後から聞かされて。
俺ですらこの驚きだ。
それが分かった時のセシルは多分……
相当動揺したんじゃないかと思う。
セシルは、自分がどこから来たのかとか、どういう人が親だったのかといった基本的な『由来』を知らない。
それが、セシルの『自己の形成』に影響があったのか
━おとなしく、優しい━
というイメージを外側に保ちつつ、
少なくとも俺に見せる部分としては、
━狡猾で、加虐的嗜好━
という、相反する性格を持ち合わせ…
それが、光と、陰のようにも見え、危うく、また、
どうしようもなく、魅力的な人間でもある。
しかし、俺も、他人のことを『危うい』などとは言えない。
ゼムスの思念を受けたゴルベーザに、俺も、また。。
操られていた……
と、周りからは言われた。
確かに自己の自由な意志が働かない事があったのだから、操られていた部分はある。
しかし、それは、その場しのぎながらも、俺自身の利害関係と一致し、
自己の意識をもってしても、抗えないものであった。
いや、意識的にしろ、従わざるを得なかった。
その理由が……
あぁ、今なら分かる。