S.S(FF4)
□The Eternal・・・***
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━━騙された!
と、ローザが悟ったのは、城内のとある室内。
高級な調度品があしらわれた、ゲストルームのうちの1つ、である。
鍵は、かけられてはいないが、どうせ見張りがいるに違いない。
それに…
「……やられたな。」
と、ため息交じりに呟く、まだ若い金髪の騎士。
お互い、本日行われた、飛空挺団の結団記念祝賀パーティーの装いそのままである。
若い男女を、パーティー後、離れの寝室に二人きりにする。
古典的な……いかにも貴族が政治的な謀略に使いそうな手段で。
一体誰が、関わっているのか。
今夜はこちらをお使いくださいと言ったあの女か、休んでいくと良いと言ったあの男か…
或いは、、、
━━また、母親なのか。
ローザは、絶望に近い目で、幼なじみの顔を、見た。
カイン・ハイウインドという、由緒ある竜騎士の家系で、
まだ若いながらも、竜騎士団の騎士団長を任される程実力のある男。
軍の正装に身を包んだ彼は、本日の主役ではないが、竜騎士団長として参加していた。
肩の、銀に輝く礼肩章が、ゆるく結わえた金髪と相まって、彼の美しさを際立たせている。
本日の主役は、対して銀の髪に、金色の礼肩章であり、礼肩章の色が、軍でのその地位の差を表していた。
それにしても。
正装で礼肩章を身に付けることが許されるだけの地位にあるのだから。
血筋、身分、地位階級、どれをとっても申し分のない男性である。
優しさと強さがある。
それに、
バロン国一の美女と囁かれるローザですらも、見惚れてしまいそうになる位、綺麗な目鼻立ちをしているのだ。
実際その長身には、すれ違っただけで振り向く女性は多い。
何も、何一つ問題がないではないか。