longStory

□慟哭 2
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街道沿いの古い宿。
そこの一室に十日程前から一組の男女が逗留している。
一人は盲目の青年。
もう一人は中性的な少女。
宿に入って来た時少女は青年に抱き抱えられていた。
聞くと森で野犬用の罠にかかり、足を傷付けたらしい。
宿代は前金でまとめて払うので暫く世話になりたいと言う青年に最近には珍しく好青年の印象を持った宿の老主人は他の客の煩わしさを懸念して離れに案内してくれた。
老主人が離れに案内し、青年が丁寧に礼を述べて戸口を閉めようとした時、少女がビクリと身体を震わせたのを気付いたのは青年だけであった。






――――――……。
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