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□慟哭 6
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行先の判らない嵐は己を鎮めてくれる大きな獣も沈めて大きく膨れ上がる。
その嵐の中心は宛ら台風の目の様に静かに穏やかだ。
止まりたい
止まれない
愛されたい
汚したい
愛したい
……壊したい
相反する感情がそこでは交錯している。
殺意にも似た恋情は狂気を巻き込み炎を纏う。
炎はやがて纏う者をも飲み込む。
炎に纏われた者はそれに気付きながら逃げられない。
自身を全て狂気の慕情に焼きつかされる迄―――――………………
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