longStory
□慟哭 6
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「………あなたにも見えましたか?」
アキラが微かに微笑んで呟いた。
その表情はとても疲れきっていて。
「………熱いんですよ………とても。」
地を這うような低い声で
「…愛しているのに。」
絞り出す声
「時人を愛しているのに……!!」
そうだ
確かに愛しているんだ
誰よりも、何よりも
だけど怖いんだ
人を愛するという事に、愛される事に慣れていない俺は、どうしていいかわからない。
この想いをどう現したらいいかわからない。
何もない、侍ですらない俺は何かを与えたくても何もない。
熱くて苦しくて怖い
もう炎に纏わり憑かれて心は焼け爛れてしまっている。
全てあげるから
全て捧げるから
俺と同じ炎に焼かれて
同じ熱に魘されて
俺と一緒に焼きつくされてくれ
.