longStory
□慟哭 8
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ただ、会って確かめたい。
アキラが何を想い、何を欲しているのか。
捨てられる事には慣れてしまった男が愛する事にどれほど恐怖を感じているのか。
また捨てられるという恐怖に苛む姿は容易に想像出来た。
だからこそ会って確かめたい。
時人に。
「………俺は俺の思う通りするだけだ。」
「……ふーん。」
判っているのかいないのか、適当に相槌を打つ螢を一瞥してまた再び歩きだす。
そう、思う通り。
昔も今も。
しかし昔と今は言うまでもなく自分は変わった。
(………ふん、この俺様にここまでさせてんだ。きっちり片ぁ付けてやんぜ。)